今日までだった夏期講習を終えてオフィスに戻ってきて昨晩仕上げた土日の課題に手を加えた。もう仕上がっているので、別にやる必要もなかったのだけど、どうしても手を加えたい今日はそんな気分だった。
夏期講習最終日、5日間かけて教えてきた「ものづくり」とその表現方法である「映像編集」をそれぞれ自分なりに解釈して課題に取り組み、制作したものを発表してもらった。
終了の寸前に一通りの講評をして、言おうか?言わないべきか?迷っていたことを「作品の優劣ではなく」ということを前提として口にすることにした。
ある一人の生徒さん、この5日間を通して最終日の今日まで全くノーマーク(ダメなセンセイだと反省する)。提出前のチェック、書き出しの設定、レンダリング、DVDへの書き出しぐらいの段階になって他の面白そうなことをやっている生徒に混じり、彼の作品のプレビューが楽しみになった。
各自の作品の発表前に感想を「何を伝えようとして制作したのか?」「どんな目的意識を持って映像制作にあたったか?」などを踏まえて述べてくださいと負荷をかけていた。半分以上が「特に目的は…」言うなか、最後から3番目になった彼の「映画の予告編を創りたかった」いう言葉とその作品は僕に「今年はこの夏期講習をやってよかった」と思わせるに十分なものだった。
映像制作で「何を伝えたいのか?」「どんな目的意識を持って制作にあたるのか?」このふたつがこの講義中一番伝えたいことだった。さすが、ITネイティブとしか言いようがないほどデジタルカメラ、PCなどをツールを使った作業はみんなそつなく、そしてここまで出来るんだ…と感心させるほどのモノを見せてくれた。ただ、驚くようなことはない。
チームごと撮影をしていたので、基本的には素材はチームごと共通のものとなる、ゲームの主人公(勇者)のドタバタ劇を撮影した彼のチームの出来は全体的に高く、ゲームの世界観をまんま持ち込んだニコニコ動画的な映像に振れがちな素材を彼は見事に予告編として仕上げた。
「映画の予告編を創る」という目的の元に選んだ編集方法、選択したフォントや効果。技術だけならば1番ではなかったかもしれない。ただ「楽しい」でよかったであろうこの授業の中、僕の中では抜群の出来でした。
今の教育のこととかはよくわからないけど「ほめて誉めて伸びる」を取り違えて「ほめなきゃ伸びない」が多いなか、誰かを特別にほめたりするのはこの場ではどうかな?と思いましたが、僕がいいと思うことはしっかりと伝えようと思いました。
「抜群」と
自分がほめられると思っていなかった様子でビックリした顔をしていましたが、とてもうれしそうだった。伝えてよかったと思った。10年以上前、仕事しながら通っていた専門学校で「超一流になるかどうかはわからないが、一流にはなれる」とほめてくださった講師の先生の言葉を思い出した。皆が絶対無理と言うなか「映像で食って行きたい」という目的を持って必死だった時どれだけうれしかったことか。。。
僕の「評価」が「目的」ではなかったと思うし、何であったかはわからない。ただ、確実に目的を持って課題に取り組んだことがその「評価」につながったのだろう。
僕は大した人間ではないが、今日のことが彼の人生に少しはプラスアルファに働くことを望む。
高校生から一つ「学び」ました。完全燃焼ではないですが、課題少しがんばって今日は気分がいいので1杯飲んで帰ります。
「学ぶ」って楽しいな。
プラスアルファドットティーヴィー実験室
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